今まで、リハビリテーションと言えば「手すりを使って歩く練習をさせる」とか、「職場に復帰するための訓練」などのいわゆる『機能訓練』を思い浮かべる方が多いと思いますが、それだけがリハビリテーションの内容ではありません。
病院の中だけでの『医学的リハビリテーション』だけではなく、職業訓練等の『職業リハビリテーション』、心身障害児の療育等の『教育的リハビリテーション』、障害者に適した町づくり等の『社会的リハビリテーション』などがあります。
リハビリによる予防の重要性
「リハビリテーション」と聞くと、脳卒中や骨折のあとに残った後遺症に対して行われる訓練というイメージを持つ方が少なくないかもしれません。そのような治療も重要な役割のひとつですが、リハビリテーションの最も大切な役割は、「障害の予防」 にあります。
私たちのからだは、動かさないでいる状態が続くと、手足の筋肉が衰える、関節が硬くなる、体力が落ちるなど、すぐに機能の低下が起こってしまいます。したがって、早い時期から、適切なリハビリテーションを行うことによって、障害そのものの発生を予防し、仮に障害が残ったとしてもその程度を最小限にとどめることが大切です。
予防の必要性は病院の中だけに限りません。高齢者や障害を持った方々が、地域の中で生活する際にも、生活する環境自体が動きにくかったり、日常生活の中でからだを動かす機会が少なかったりすると、すぐに心身の機能が衰え、要介護状態になってしまうことが少なくありません。その意味でも、地域生活の中でも、予防的リハビリテーションは重要です。
リハビリテーションの諸領域
- 1.医学的リハビリテーション
◇ 患者の心身機能の向上と維持を目的としている
◇ 疾病の治療と並行して、機能障害の回復、能力低下の予防と再獲得を促す - 2.職業リハビリテーション
◇ 障害のために職を失ったものが再び職を得ることを援助。
◇ 職業能力の評価、職業指導、職業訓練、職業斡旋、保護雇用、追跡指導など。 - 3.教育的リハビリテーション
◇心身に障害のある児童に対して知的教育、人間全体の総合教育を行う。
◇自立活動、職業指導など。 - 4.社会的リハビリテーション
◇医学的・職業的・教育的リハビリテーションの全過程が円滑に進むように経済的、社会的条件を調整するためのサービスである。
◇更生施設・生活施設などの整備、障害者に適した町づくり、障害者の生活を援助する制度の確立、地域社会における障害者に対する支援の促進。
リハビリテーションの対応
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障害予防
廃用症候群(筋萎縮・関節が硬くなる拘縮等)・誤用症候群(杖や装具の不適切な使用による炎症等)・過用症候群(筋肉痛・関節炎等)の予防
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機能再建・強化
機能回復治療(筋力強化・バランストレーニング等)・物理療法(温熱療法・電気治療等)・神経生理学的アプローチ(PNF等)
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機能代償
利き手交換、ジェスチャーや絵カードによる意思交流、 義肢・装具、車椅子、自助具
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障害受容
インフォームドコンセント・情報提供・価値観の転換 、仲間との交流・視野の拡大・自己実現・QOL(生活の質)向上
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環境整備
福祉用具・福祉機器・住宅改修・住宅改造、コンピュータ環境制御システム
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障害予防
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